みなさまはじめまして。
SONRISA WORK STYLE LABO主催の勇上澄子です。
2010年に、当時1歳と3歳の娘たちを育てながらハンドメイドアクセサリーのオンラインショップSONRISA を立ち上げ、それ以来「家族も自分もご機嫌」をモットーに最適なワーフライフバランスを模索しながら、ショップを成長させてきました。
SONRISA では2018年9月現在、 実の妹を含む3人の制作ユニット&things、個人作家のJ Products、Wisteriaなどのハンドメイド作家さんの作品もお取り扱いさせて頂いており、ハンドメイドアクセサリーのショップとしては珍しい「複数作家で運営するオンラインショップ」としてお客様にご愛顧頂いています。
そんなネットショップ店主が、なぜ「WORK STYLE LABO (働き方の研究所)」を立ち上げたのか。
それは、複数のママ作家さん達と共にショップ運営をしてきた過程で、一般的な起業スキルや集客術だけでは上手く行かないことや、「ママ作家・ママ起業家だからこその悩み」「女性ならではのマインドの課題」というものに何度もぶつかり、ああでもない・こうでもないともがきながら乗り越えてきた知識や経験を、同じように悩んでいるママ作家さん・ママ起業家さんにシェアしたいと考えたからです。
「女性起業」や「週末起業」、「好きな事起業」「ハンドメイド起業」など、起業するというワークスタイルはすでに珍しいものではなくなり、特に子育て中の女性が「家族との時間を大切にしながら家でできる仕事を」という規模で立ち上げるビジネスについては、技術的にも資金的にも心理的にも、全体的にハードルは低めです。
そしてそれに合わせて、そういった起業家さん向けのスタートアップセミナーや集客セミナー、コンサルティングサービスも多種多様に存在し、それらの広告を目にしない日はないと言っても過言ではありません。
私自身も、今までいくつかの女性起業塾やビジネス講座、コーチングセッションなどを受け、女性起業家交流会にも参加してきました。
それらのおかげでショップ運営が軌道にのった面ももちろんありますが、思い返してみるとコストとメリットが合っていなかったものや、(結局受講はしなかったのですが)自分には合わない高額セミナーを契約しそうになった事もあれば、違うタイプのビジネスで成功されている方のアドバイスが自分には合っていない事が分からずに長期間振り回されていた経験もあります。
そんな起業初期の経験を経た上でわかったのは、「家族との時間を大切にしながら働きたい」というママ起業家のニーズは、一般的なビジネスセミナーで想定される起業家のニーズ(売り上げを最大化したい、事業拡大したい、など)とはスタンスが違うため、自分で自分のニーズを把握していない場合は回り道をして、最悪の場合は望んでいた未来とは違う結果を招いてしまうケースがあるという事でした。
どういう事かというと、「家族との時間を大切にしながら働きたい」という理由から起業を選んだ人の場合、「家族との時間を確保する」という事が潜在的な1番のニーズであるため、「売り上げの最大化」や「ビジネスの拡大」「経済的成功」を第一にした努力をすればするほど、自分が思う幸せから離れてしまう場合があるのです。
具体的には、
- ビジネスが想定以上に軌道に乗って忙しくなりすぎると、その後に燃え尽き症候群のようになって停滞してしまう。
- 逆に寝食を忘れて仕事にのめり込んだ結果、身体を壊したり、家族関係が悪化したり、お子さんに気になる行動が出てきたりして、結果的にはビジネスもペースダウンしてしまう(もしくは離婚等の望まない結果になる)
等のケースが挙げられます。
私自身も、起業1年目に起業塾で指導して頂いていた頃、娘たちが3歳・1歳という可愛い盛り&手がかかる盛りだったにも関わらず、起業塾・フォトスタイリング講座・ビジネスコンサル講座と3つの講座を掛け持ちし、起業家交流会にも所属し、ショップではコラボ事業の立ち上げを2件立て続けに行う事になり・・という時に、過労と睡眠不足からくる目眩で倒れ、「子どもの為にちゃんと寝ろ!!」と主人に言われて目が覚めた事があります。
その当時、ショップは軌道に乗り始めてはいましたし、今もおつきあいが続いている事業の立ち上げ期で忙しかったという事情はありますが、忙しすぎて家はぐちゃぐちゃ、子ども達の保育園へのお迎えは連日最終組、夜ご飯を食べさせるのが9時台・・なんていう時もザラで、起業した理由であった「家族との時間を大切にしたい」という目的は何処へやら・・・という状態でした。
その当時何よりも怖かったのは、「今、子ども達が大きな病気や怪我で入院するような事が起きたらどうしよう・・・」という事でした。
「子ども達のそばにいられるように」との想いで始めた在宅起業のはずなのに、仕事に没頭しすぎた結果、本当に必要な時に子どものそばにいられないかもしれないという事実に気づき、努力の方向性が間違っていたのでは?と思い至ったのです。
幸い、その記憶がなくなるほどの忙しさは半年〜8ヶ月ほどで落ち着いた事と、もともと主人が私の起業に理解があり、非常に協力的で忍耐づよい人だった事に助けられてなんとかこの時期を乗り越える事ができましたが、もしこれが主人の反対を押し切っての起業であったなら、夫婦関係も壊れていてもおかしくなかったと思います。
大切な事なので繰り返しますが、「家族との時間を大切にしながら働きたい」という理由から起業を選んだ人の場合、自分自身の一番のニーズは「家族との時間を確保する」事です。
「売り上げの最大化」や「ビジネスの拡大」「経済的成功」は、その次に来る第二のニーズである事を忘れては、過去の私のように頑張れば頑張るほど、結果が出れば出るほど、「なんか思ってたのと違う・・」という結果になってしまい、特に家族関係については、最悪の場合、取り返しがつかない結果となってしまいます。
その事に気付いた起業2年目以降、私は長期的なスパンでショップを拡大させて行こうと視点を切り替え、次女が小学校に入学するまでの間は意図的に「ゆる起業」のペースを上げませんでした。
そしてその間は積極的に「家族の幸せを増やすためのスキル」の習得に力を入れ、具体的には「整理収納・ライフオーガナイズ®︎」などを通して自宅をストレスなく維持・管理できるように整えたり、「勇気づけの子育て(アドラー心理学をベースとした子育てコーチング)」や選択理論心理学、ポジティブ心理学等について学び、家族やメンバーとのコミュニケーションとメンタル管理に役立てたり
さらに自分自身やショップのメンバー(所属作家さん)のこれまでを振り返ってみると、ママ起業家の悩みやつまずくポイントは「必ずしも仕事が直接の原因でない事も多い」という事実にも気づきます。